goronの墓まで持っていくブログ

限界オタクが送る微妙に時代遅れなブログ

映画『ジョゼと虎と魚たち』が個人的に刺さったという話(※ネタバレ有)

記事書くうちに申し訳なくなってきた…。

 

 

 

こんばんは、goronです。

 

 

私は早く次の年末来ないかなあ…とか既に思っていますが何とか生きています。

今年は一年おきになってる頻度改善というか、ブログに限らず基本的に超ものぐさ野郎なので無理やりにでも記事を書く姿勢を持ちたいと思います。

 

正直今回書き進めるうちにこんなブログに書き残すことへの罪悪感が湧いてきて仕方がないので、頼むから今回の記事見た人は他の記事見ないでほしい。(懇願)

 

 

早速ですが本題。

今回取り上げたいのは先月12/25より全国劇場にて上映中のジョゼと虎と魚たち(アニメ版)』です。

 

 

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©2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

メインビジュアルの一枚。この一枚絵マジですき。

 

 

あらすじ

趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。
幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになったところを、大学生の恒夫に助けられる。

海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れを
いつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。

そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、あるバイトを持ち掛ける。

(アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』公式サイトより引用)

 

 

私は当初原作未履修で、だいぶ前に俳優の妻夫木聡さんが主演されていた実写版なら一度見たことがあったのですが、そちらは結構シリアスというか、何となくどんよりしたイメージが先行していました。それがアニメ版としてどうなっているか興味が出て観に行ったのですが良い意味で裏切られましたね…。

 

理由は後述しますがあまりにも自分の作品としての好みにブッ刺さり過ぎてしまい、ここ最近数日おきに映画館へ行ってました。(この記事書いてる時点で5回観た)

 

 初回観てから割と重めのロス状態になってしまい、この短期間で観直しまくったおかげか復調してきたので今回個人的なお焚き上げという意味合いも込めて書き残そうとした次第。

 

 

 

とりあえずここから感想。

どうしても内容(ネタバレ)に触れる要素が出てきてしまうのでネタバレ避けたい方はブラウザバック推奨です。

 

 

 

 

 

 

 

 

まず私の感想の前提としてなんですが、「誰にでも薦めたい!」とか「名作!」とかそういった感じではなかったです。(重要)

 

あくまで刺さる人には刺さるといった印象。

 

その原因は90分程度の限られた時間の中でどうしても展開が強引に感じる部分があることであったり、また所謂ご都合主義的な展開があることは否めなかったので、原作や実写版の雰囲気が好きで期待していた方ほど首を捻る部分はあったのかなあ、と思っています。

 

ただ、話の展開に関しては逆に言えば場面展開がシーン毎にはっきりとしていて鑑賞中に中弛みはしづらいとも取れるので物は捉えようだと思います。わたしはこちら派でした。

 

また、ご都合主義云々に関してですが、本作は既存作のリメイクという訳ではないので言うだけ野暮だと思います。そもそものキャラクターの設定・デザインや作中の時代背景が既存作とは大きく異なりますしね。

 

話は逸れますが、どんな作品であれ二次元(アニメ化)という表現媒体を挟む以上どうやっても三次元とは異なる質感が出るので、まるっきり作中の雰囲気を模倣といった事は不可能だと私は思っています。逆も然りで、人気漫画の実写化で役者さんが演じているがイマイチ浮いた感じが出るアレと同じ感覚です。書いててめちゃくちゃ分かりづらいと自分でも思いますが、要は表現する為の土俵がそもそも異なるので同タイトルとはいえ全く異なる作品として見た方が良いんじゃないですかね、ということが言いたかった。

 

 

長々と前置きを書きましたが、とりあえず私の感想をまとめると「見ていて気持ちいい、後味爽やかな作品」でした。以下特に刺さったポイント。

 

 

 

まず第一になんですがヒロイン(主人公)のジョゼがかわいい。

というか私の感想だいたいこれ。

 

 

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©2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

 

 

 序盤は主人公の恒夫に警戒心丸出しでキツく当たってきますが、交流を深めるうち徐々に態度が軟化していく様は作中登場する野良猫の諭吉の様子とリンクしていて、そのどことなく猫っぽい印象と相まって非常にかわいらしかったです。開始30分しないくらいでデレ始めるので現代オタクにも安心!

 

全編通してだいたい仕草が可愛いんですが、中盤にある虎を見に行くに行くくだりで、それまで自分に割と無頓着だったジョゼが普段とは印象の異なる服を選び、髪を梳いておめかししている一連のシーンは恋する乙女感が大爆発していてはちゃめちゃに可愛いのであそこは何度でも見たい。(オタク)

 

また、この作品は作中通じてジョゼの成長がかなり綿密に描写されていると私は感じています。ただそのあたり一から書くとただのネタバレ垂れ流しになってしまうので割愛。

 

 

 

代表として挙げるとすると私はジョゼの部屋の変遷を挙げたいです。

 

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©2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

初登場時のジョゼの部屋。

 

作中の流れでよく実在の小説家であるフランソワーズ・サガンの小説と絵本の『人魚姫』が絡んでくるためか、海とフレンチアンティークが混在したジョゼの願望が詰め込まれながらもどこか時が止まったような私室が、外部とのつながりと成長によって変化していく描写が場面ごとに変化していて様子が個人的にとても感心しました。

夢は隠せても思い出は隠しきれなかったんだなって…。

 

 

また、作中直接的な描写はありませんでしたが、監督であるタムラコータローさんのTwitterにてキャラクターの経済レベル云々の設定がありました。

 

 

 

 

完全な妄想になりますが、お祖母ちゃんが外との繋がりを積極的に持てないジョゼの願望を可能な限り叶えようとした結果があの古めかしい家具や、日本家屋ではあまり見かけない水色の壁や天窓であるのであれば何だかめちゃくちゃクるものがあるなぁと思います。

 

 

 ここまで散々ヒロイン(主人公)のジョゼについて触れましたが、その他のキャラクターも魅力的というか基本的に人間が出来過ぎているので、誰が観ていても苦手になるキャラクターはいなかったんじゃないですかね…。
特にもう一人の主人公である恒夫くんが聖人過ぎる。物語後半で自分の夢が断たれかねないといった状況で未来への不安を漏らすのではなく、その前の場面で自分が言った『夢を諦めない』ことへの浅慮を悔いるような台詞が出てくるのは本当に普通の大学生設定か???と思ったり。

 

 

他にも特に自然風景を描いた背景の美しさであったり、声優さん(特に清原さんと中川さん)の自然な演技等刺さったポイントは山ほどありましたが、やはりキャラクターが全面的に押し出されるアニメーションという媒体なこともあってか、人物の感情表現がとても緻密だと感じました。物語で言う地の文を表現する為の仕草が随所に散らばっていましたが、特に引っかかる場面は無かった印象があります。

 

 何にせよ小難しく考えなければいけないような映画ではないので、興味のある方はとりあえず気軽に観てほしい映画ですね…。

 

 

 

以下オタク特有の妄想。

特にネタバレが強いですが勘弁してください。

 

 

 

恐らくラストの一連の流れは人によって是非が分かれる部分だと勝手に考えているのですが、私は記事の前半で触れた『実在の小説と絵本が内容に絡んでいる』と『ジョゼ(と恒夫)の自立と成長』の2つの要素が絡んだこそのあの流れだと私は思っているので大満足で大好きな終わり方でした。

 

前者に関しては、この作品随所で『人魚姫』が出てきますが、話の本筋もどことなくそれになぞらえた進行をしていきます。原作では王子様を想い自らの望みを押し込めた結果、人魚姫は泡となって海に消えてしまいますが、ジョゼもこれと同様に終盤恒夫ほか周囲の人との繋がりを絶ち居なくなろうとしてしまいます。

ですが、ジョゼが物語の中で繋いできた人間関係は絵や本といった空想の中ではない現実の繋がりなんですよね。これが後者と絡んできます。

 

後者に関してですが、ジョゼは作中で望まぬ出来事もあったとはいえ成長を遂げた結果、一人で外の世界に飛び込める自立心を持ち、空想の中で生きていた自分からの脱却を果たしています。

この強さを得たジョゼの状態というのは、どちらかと言えば既存作である原作や実写版のジョゼ像に近いと私は感じていて、特に実写版では『一人で困難と立ち向かう覚悟が出来ていたジョゼ』『ジョゼと向き合うこと半ばで諦めてしまった恒夫』が最終的に関係消滅してしまうエンディングを迎えています。

 

ですが今回のアニメ版で描かれたのは、成長を果たしたものの過去の恒夫との思い出の品の数々を隠し切れなかったり、終盤聞こえないはずの自分を呼ぶ声に反応してしまう等『全てを振り切れるほど強くはなれなかったジョゼ』と、作中一度は折れてしまった心を持ち直し、最終的に望んでいた夢を再び掴んだ『自分を強く持ち最後まで諦めなかった恒夫』であり、二人の成長と、二人の関係が空想ではない現実のものだったが故のあの終わり方だと考えると猛烈にエモいと思うのですがどうですかね…。

 

また、視聴後原作版を読んでみて知ったのですが、エンディング前最後の一連の台詞が原作版のジョゼと恒夫が初めて心を通わせたシーンの台詞の再現になっており、リスペクト性を感じるのも相まって私はあのベタだけどハッピーエンドなラストシーンが大好きです。

 

 

以上妄想終わり。

 

 

 

まだまだ書きたいことはたくさんありますが推敲しきれないので記事に関してはこの辺りで〆。

 

とりあえずBlu-rayの発売決定を楽しみにしてます。

漫画版も再現度高いのでオススメです。皆さんも読もう!!!!(ダイマ

 

 

 

あと最初にも言いましたが他の記事は普通に有害なので読まないでください。

 

 

 

以上